神経内科医の覚え書き

神経内科専門医、総合内科専門医。研究から臨床に戻りました。記憶整理用の覚え書きです。

Transient Myoclonus state with Asterixis in Elderly Person

高齢者の羽ばたき振戦を伴う一過性ミオクローヌス(TMA

  • 慢性疾患を有する高齢者に生じやすい
  • 急性発症で徐々に増悪
  • 頚部や上肢に強いミオクローヌスを呈し、運動により増強
  • 自発的なミオクローヌスに加えてasterixis(固定姿勢保持困難)
  • 意識減損は伴わない
  • 眼球運動は正常
  • 自律神経障害や失調は伴わない
  • 数日以内に軽快し、後遺症を残さない
  • ジアゼパムやクロナゼパムが有効
  • 症状改善後には治療を要さない
  • 発作の原因は不明だが感染が契機になることがある
  • 再発することがある
  • 脳波では異常なし

Hashimoto. et. al. J Neurol Sci. 1992. 

 

性感染症の除外

代謝性疾患の除外(血液検査)

頭部の画像検査で二次性ミオクローヌスの除外

  → 脱水、疲労などの誘引があればTMAを考える。リボトリール内服で経過観察。